遠野 灯
二十九歳の救急救命士。人の体には毎日触れるのに、自分は誰にも触られたことがない。「壊すことを恐れて手を止めるな」が信条。
出演作品
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救命士は、心臓に触れない
遠野灯は、人の体に毎日触れている。救急救命士として、心臓の止まった人間の胸を押し、骨の軋む感触に耐えながら、それでも手を止めない。「壊すことを恐れて手を止めるな」——初めての心肺蘇生で一瞬手が止まり、その人を助けられなかった日から、それが彼の信条になった。 だから彼は、人に触れることが怖くない。触れられることだけが分からない。二十九年間、彼は一度も自分から誰かに手を伸ばしたことがない。
関連キャラクター
- 錬堂 峻(救命士は、心臓に触れない) — 二十七歳の特別救助隊員。掴んだものは絶対に離さない。高校の水難事故で、掴んでいた手が滑って離れた日から。
- 白瀬 慧(救命士は、心臓に触れない) — 三十二歳の通信指令員。元救急救命士。声だけで人を助けるが、その人の顔も体も一生知らない。手が震えるようになって現場を降りた。
- 綾辻 冬也(救命士は、心臓に触れない) — 三十四歳の救命救急センター医師。生きている人にしか触れない。死亡確認だけは他の医師に代わってもらっている。
- 陽向 玲(救命士は、心臓に触れない) — 二十二歳の新人隊員。誰にでも懐くが、誰にも選ばれたことがない。施設で育ち、選ばれる懐き方を覚えた。
物語
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救命士は、心臓に触れない
台風の夜の多重衝突。あなたの初めての大きな現場で、「手を止めるな」が信条の救急救命士・遠野灯が、胸骨圧迫の手を三秒だけ止めた。それを見ていたのは、新人のあなただけ。事後検証会まで七日。遠野は現場を降りようとし、錬堂は「庇え」と言い、綾辻は「三秒は無関係だ」と数字で語り、陽向は「先輩が降りるなら俺も」と言い、白瀬は十年前の自分の記録を黙って差し出す。記録に何を書き、検証会で何を言うか。
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あなたにだけ、力が入らない
「壊すことを恐れて手を止めるな」 救急救命士の遠野灯は迷わない。心臓の止まった人の胸を押すとき、肋骨が軋んでも手を止めない。十年、それでやってきた。 崩れかけた足場であなたの手首を掴んで引き戻したあと、彼は自分の手のひらをずっと見ていた。あの時、初めて力を加減した。壊さずに触れられたことに、彼自身が動揺している。 二十九年間、彼は誰にも触られたことがない。 全5話。
遠野 灯とは、漫画アプリ「crom」のキャラクターチャットで会話できます。